2010年5月5日水曜日

図書館戦争(シリーズ)有川浩




4巻まとめて感想を。別冊については別項で。

アニメを見ていて、これはもとを読まなくては!と思って全巻買いに走る。新人隊員郁と上官堂上のラブコメ…だけではなくて、表現の自由についてかなり考えさせる内容も。単なる「言葉狩り」に成り下がっている表現規制のバカバカしさ、言葉による差別、それらの規制に対する抵抗など、無関心でいては実は大変なことになることを、さらっと読まされてしまった。
現在、「非実在青少年」についての表現規制についての論議がなされているが、ネットで話題になるまで、自分はまったく関心がなく、同人誌やアニメを作っているひとたちの話を聞いて初めて、これはとても大変なことだと自覚したというていたらくなので…(この規制を提唱している人物についても一言二言いうべきことはあるけど、ここでは割愛)
聴覚障害についての考察はよくされていると思う。聾唖、難聴、中途失聴の定義の違い、それぞれの属するコミュニティに実は壁(?)があること、聴覚障害者の危険への対処…など。NHKのある番組で著者のインタビューを見たが、聴覚障害のことをとても勉強していたことを話していた。よく調べてあると思う。

(ここからは堂郁萌え吐き出し)
双方向片思い、制服、上司部下、過去の因縁、ツンデレ、不器用、年の差…萌えがある要素は全て盛り込んでいて、お腹いっぱい。
郁が「助けてくれた王子様」に憧れて入隊し、そのまま憧れを持ち続けているが、王子様を美化しすぎていて、本人を目の前にしてもそれと気づいていない。そこから生じる様々なすれ違いがもどかしくもいとおしい。堂上そのひとにも既に憧れているのに、そのことはなかなか伝えられず、王子様への憧れだけを堂上にぶつけてしまう(それが彼を戸惑わせ、いたたまれない思いをさせているのにも気づかずに)
実は堂上もその出会いのときから郁が気になっている。凛とした後ろ姿が忘れられず、5年後、採用試験を受けに来た郁に再会してからは周囲に悟られてしまうくらい彼女を意識しまくっている。後で郁に「私のこといつから好き?」と聞かれて、王子様期間を除いて、郁よりも前から好きだった、と答えていることから、郁が高校生だったあの出会いの時から…ということが読み取れる。
「王子様」に二人とも振り回されていて、お互いがお互いのことに既に向き合っているのに、そのことが見えていないんだよね。そこがもどかしさのもと。
時を経て、郁は「凛としているけど力がある訳ではない一人の少女」から「信頼して任せられる部下」に変わり、堂上も「無謀な熱血人間」から「理性を持ちつつ秘めた心は熱い男」に変わっていて、お互いが「今の彼、彼女」にきちんと向き合えるかどうかがポイントだった。大人なぶん、堂上のほうが自覚して向き合うのが早かったのかなあ。郁の気持ちが自分に向くのをずっと待ってたような。

小牧の台詞がアニメでの小牧役、石田さんの声で再生されるのはお約束?
そして、いろいろ二次サイトを回ってみた結果、甘さ的には原作者がもっとも破壊力を持っているって…いろんな意味ですごいかも。

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